温泉の源泉数・湧出量ともに日本一の大分県は「おんせん県おおいた」の呼び名で知られ、中でも2大温泉地「別府温泉」と「由布院温泉」は海外からもたくさんの観光客が訪れる、世界的にも有名な温泉街。
別府温泉は別府市、そして由布院温泉は由布市でそれぞれ隣接し合っていますから、温泉巡りや観光で両方を広く楽しめます。日帰りでも可能ですが、歴史のある魅力的な温泉宿がたくさんあるので、ゆっくりとお湯を楽しむためにも一泊での旅行がおすすめ。
両市共に外せない観光ポイントは集中していますが、ゆっくり見て回ると時間が足りなくなってしまいます。そこで別府は湯めぐり、由布院は食べ歩き、と目的を区別しても良いでしす。
別府温泉と由布院温泉の移動の選択肢はいくつかあります。
自家用車やレンタカーの場合
一般道・県道11号線を利用して約40分。立ち寄りポイントは「狭霧台(さぎりだい)」。標高約680mからは湯布院の街並みと由布岳が一望でき、秋から冬の早朝には雲海が見られることで知られています。
高速道路の利用でも、それほど時間は変わりません。途中の「別府湾サービスエリア」は、上下線が遊歩道で行き来することができ、別府湾が見渡せます。ここは「恋人の聖地」と「日本夜景遺産」に認定されている特別な場所。恋人やご夫婦で訪れたいです。
バスの場合
観光快速バス「ゆふりん」がおすすめ。別府駅から由布院駅前バスセンターを約1時間、900円で移動できます。さらに広い範囲をバスで観光するのであれば、別府温泉と由布院温泉間を移動でき、地獄めぐり・別府ロープウェイ・金鱗湖など人気の観光スポットで乗り降り自由な乗車券の利用がお得。
電車の場合
JR別府駅~JR由布院間を電車でも移動できますが、運賃を安く抑えれば乗車時間は長くなり、特急を利用すれば早く移動できる分だけ運賃が高くなってしまいます。よほど電車にこだわりがなければ、バスで移動するのが無難です。
人気の豪華列車「特急ゆふいんの森」は、博多方面から別府や湯布院に訪れる方にはおすすめ。ただし本数が少なく、一番早い博多発でも由布院駅着が11時36分、別府駅着13時36分とお昼近くになってしまうので、特急ゆふいんの森は博多へ戻る時に利用すると良さそう。特急ゆふいんの森に乗車したら、駅弁を楽しんでください。
※特急ゆふいんの森は全席指定席で事前に切符の購入が必要。
このように別府温泉と由布院温泉の移動手段やルートはいくつかあるので、事前に旅行プランを立てておくと、現地で慌てなくてすみます。ただし、湯めぐりや食べ歩きは思いのほか時間がかかります。工程表には余裕を持たせるようにしてください。
まずは別府の地獄めぐり&別府八湯からスタート!
地獄めぐり
別府の地獄巡りは、古くからとても有名な観光名所。誰しも一度は、真っ赤な「血の池地獄」や底なし沼を想像してしまう「鬼石坊主地獄」などを、雑誌やパンフレットで目にしたことがあるはず。
約3万年前の活発な火山活動で、別府湾一帯には多数の温泉が誕生しました。地球内部から吹き上げる凄まじい熱湯や熱泥(ねつでい)が広がる光景が、まるで地獄絵図のようであったことから、温泉の吹き出し口を「地獄」と呼ぶようになったのです。
現在は観光がしやすいように綺麗に整備されていますが、実際に訪れてみると迫力が違います。
ゴーッッッと力強く湯が吹き出している音やボコッボコッと湧き出る音、熱気を感じるほどの湯けむりに包まれると、本当に地獄にいるような迫力!これは画像や映像では味わうことのできません。現場ならではの景観です。
地獄は7つあります。
鉄輪温泉エリアにある5つの地獄「海地獄」「鬼石坊主地獄」「かまど地獄」「鬼山地獄」「白池地獄」と、そこから2.5kmほど離れている「血の池地獄」「龍巻地獄」。
かつては「山地獄」も含めて8つの地獄でしたが、現在は含まれていません。
このように地獄は他にいくつもあります。「地獄めぐり」の7つの地獄は別府地獄組合に登録されているもので、新規加入や脱退があるそうです。これにより観光で注目される「地獄」が変わるということでしょうか。
地獄は上記のように2つのエリアに分かれており、徒歩なら40分以上離れています。途中、歩道がない道も歩くので、移動は乗用車またはバスを利用してみてください。
7つの地獄全てを巡りたい方におすすめなのが、7つの地獄全てに入れる共通入場券付きの定期観光バス「別府地獄めぐりコース」です。バスガイドによる七五調での案内はこのバスの名物にもなっているほど人気!
別府駅を出発し北浜バスセンター経由で、7つの地獄を順に回り別府駅が終点。所要時間は2時間30分~40分ほど。
ただし、各地獄では時間に制約があるため、とりあえず全てを効率よく回りたい、湯布院など他の観光地にも向かいたいのであればおすすめ。フリープランで気ままに動きたいのであれば路線バスを利用しましょう。
※「別府地獄めぐりコース」定期観光バスは、平成30年7月から事前予約が必要となりました。少々古い旅行雑誌やネット情報では予約が不要と書かれていますが必要です。気を付けて!
大人3,650円・高校生3,060円・中学生2,750円・小人1,740円
海地獄(国指定名勝)
湖面がコバルトブルーに見えることから、海地獄と名付けられました。「硫酸鉄」が多く溶解しているので、絵の具を溶かしたような神秘の青になっているのです。
海地獄の周りをぐるりと一周回ってみましょう。場所や風向きによっては蒸気が体に当たり、少し体が濡れるほど。98度もあり触れることができない海地獄を体で感じられる瞬間です。ここでは高温の温泉を利用して作られた海地獄特製、無添加無着色の「地獄蒸し焼きプリン」が有名。卵・砂糖・牛乳のみを使用した濃厚な味と、ビッグサイズが観光客に大人気!
温泉卵も販売しています。海地獄の温泉たまごは地獄のお湯に浸して作られたもの。他の地獄で作られた温泉卵は地獄の噴気で蒸したもので、工程に違いがあります。味の違いはいかほどか、食べ比べをしてみるのも面白いです。
毎年秋には「夜の海地獄」が開催されます。地獄の雰囲気を損なわないライトカラーやこだわりの照明デザインの数々、プロジェクションマッピングも話題を呼んで入場まで長い待ち時間ができるほど。2019年は10月に開催する予定。気になる方は海地獄のホームページをこまめにチェックしてみてください。
鬼石坊主地獄
ボコッボコッと湖面が沸騰する時に丸く盛り上がる様子が、つるつるしている坊主の頭に似ていることから、鬼石坊主地獄と名付けられました。ここでも地獄蒸し焼きプリンを味わえます。
かまど地獄
昔、氏神竈門八幡宮の大祭の時に、地獄の噴気でご飯を炊いていたことが名前の由来になっています。現在でも地獄の蒸気で蒸した肉まんやピザまん、蒸しトウモロコシ、石垣饅頭など、かまど地獄ならではのグルメが楽しめます。
また、1~6丁目までエリアが分かれており、様々な地獄をご覧いただけます。海地獄のようなコバルトブルーの地獄、血の地獄のような赤い地獄など、200mの範囲内にタイプの異なる地獄が存在します。中でも有名なのが5丁目。年に数回、突然色が変わる不思議な地獄。何故色が変わるのか分かってないそうです。自然って不思議です。
その他、飲む温泉、喉や肌を潤す蒸し湯、足湯などあり、かまど地獄は見るだけでなく体感できる地獄と言えます。
きっとここでしか食べられない、ちょっと変わったスイーツを2つご紹介!
1つ目は「地獄醤油プリン」。カラメルソースの代わりに醤油が入っています。醤油は元々、かまど地獄の温泉たまごに合う醤油として作られたオリジナル。甘さ控えめプリンとオリジナル醤油の組み合わせが絶妙に合うから不思議。
2つ目は「赤鬼ソフト」。バニラソフトクリームに唐辛子の粉がトッピング。見た目のインパクトはすごいのですが、唐辛子の辛さよりもソフトクリームの甘さの方が勝って、美味しくいただけます。
その他にもブラックペッパーがトッピングされた「地獄ソフト」。安心して食べられる「極楽ソフト」もあります。
鬼山地獄
1日に200tもの高温の温泉が吹き出している地獄。別名「ワニ地獄」とも言われており、現在約80頭のワニが温泉の熱を利用して飼育されています。
毎週水曜日10:00、土・日曜日10:00と14:30にワニの餌やりタイムは必見。餌が投げ込まれた瞬間、身体を縦に持ち上げながら大きな口をガバッと開けて餌をキャッチする姿は、ワニの力強さが感じられ迫力があります。
白池地獄(国指定名勝)
神秘的な青白い色をしている地獄で、他の地獄とは異なり静寂が感じられる場所です。温泉の熱を利用した熱帯魚館があるので、小さな子供連れにおすすめの地獄。
血の池地獄(国指定名勝)
1300年以上前から存在し日本で最も古い地獄とされる血の池地獄。地獄巡りの中でも人気の地獄のひとつです。
血の池地獄が赤いのは、酸化鉄や酸化マグネシウムを多く含む熱沼だから。理屈は分かっても真っ赤な地獄を見ると、やはり文字通り「血の池」を連想させます。
血の池地獄の後ろにある高台に上ると、上から血の池地獄を見下ろすことができ、その大きさが確認できます。
また、池の横の東屋ではここでしか買えない「血ノ池軟膏」を販売。正真正銘の医薬品のため、医薬品を販売する許可がある東屋でしか販売できず、売店には売っていません。値段は1,400円(税込み)。
実際に血の池地獄の、底の鉱泥が使われており、効能は水虫・しもやけ・やけど・ひび・あかぎれ。その他、かゆみや殺菌にも效果が期待できるなど、皮膚に関するトラブルの治療薬です。
戦前から利用されているほどその効果は高く、リピーターが多いことからインターネットでも販売されています。お土産や自宅用の常備薬としてもおすすめ。使用期限はないので長く保管できます。
龍巻地獄(国指定名勝)
30~40分間隔で1回、5分間ほど吹き出す間欠泉の地獄。地球内部から105度の熱水が勢いよく吹き出します。石で作られた屋根で抑えられていますが、実際は30m以上吹き出すそう。一度見てみたいものですね。
訪れるタイミングで間欠泉が噴き出すまでの待ち時間が発生することがあるので、その時には隣の血の池地獄を先に見学するなど、少々時間の調整が必要かもしれません。
また間欠泉が吹き出すぎりぎりの時間に訪れると、ベストポジションで見られなくなってしまう、唯一時間を気にしなくてはならない地獄です。
足湯
地獄めぐりで訪れた7ヶ所の地獄のうち、「海地獄」「かまど地獄」「鬼石坊主地獄」「血の池地獄」の4ヶ所には、それぞれの地獄を利用した足湯の体験コーナーが無料で用意されています。
特にかまど地獄は、砂蒸し足湯や小石が入った足湯など3つの足湯が楽しめます。
足湯は、歩き疲れた足の血行を良くし代謝もアップしてくれるなど、温かいだけでなく体にとても良い効果があるので、ぜひ利用したいです。
女性の場合、ストッキングなど脱ぎ着が大変なものは避け、裾がめくりやすい緩めのパンツに靴下など足湯を体験しやすい格好で行くのがベストです。
地獄入場料金
各地獄とも同一料金
大人400円・高校生300円・中学生250円・小学生200円
地獄を5つ以上回る方は、7地獄全てが入場できる共通観覧券がお得!
大人2,000円・高校生1,350円・中学生1,000円・小学生900円
※「別府地獄組合」のホームページに、5名まで利用できる入場料10%割引のチケットが載っています。このチケットを利用すると大人2,000円が1,800円で購入可能。予めプリントアウトしておくか、チケットを購入する際にスマートフォンの画面を表示してもO.K.
別府八湯(べっぷはっとう)
別府市内には8つの個性的な温泉街があり、これらを合わせて別府八湯と言います。基本的には消毒なしの源泉掛け流しで、利用料100円とリーズナブルな場所がほとんど。
別府温泉
別府の玄関口。毎年4月に行われる「温泉祭り」はここ別府温泉が中心。
浜脇温泉(はまわきおんせん)
別府温泉発祥の地。明治・大正時代のレトロな感じが残る温泉街。
亀川温泉(かめがわおんせん)
かつては海外に豊富な温泉が湧き出て、砂湯が楽しめました。現在でも上人ヶ浜公園の一角に市営の別府海浜砂湯があります。
鉄輪温泉(かんなわおんせん)
湯けむりが立ち上る景観が見事!地獄めぐりの地獄が集中してある温泉。
観海寺温泉(かんかいじおんせん)
別府八湯の中で一番見晴らしが良い温泉街。観光温泉としても盛んな場所。
堀田温泉(ほりたおんせん)
湯治場として江戸時代に開かれました。湯量が豊富で別府市内に給湯されています。
柴石温泉(しばせきおんせん)
895年に醍醐天皇が、1044年には御冷泉天皇が湯治で利用した温泉。国民温泉保養地に指定されています。
明礬温泉(みょうばんおんせん)
最も標高が高い温泉地。わら葺きで作られた「湯の花小屋」が点在します。ザボン湯でも有名で、お肌がツルツルになると女性を中心に大人気です。
別府温泉の「竹瓦温泉」
別府八湯はそれぞれに歴史があり趣が違うので、1つずつ湯を楽しみたいところですが、あまり時間がない場合やとりあえず湯に浸かってみたい人におすすめの温泉はこちら。
別府八湯といえば竹瓦温泉と言われるほど外せない、定番の温泉。明治12年(1879)創設で、現在の建物は昭和13年(1938)に建設されたもの。ロマン溢れる内装が実に素敵。竹瓦温泉には3つの源泉があり、男湯・女湯・砂湯で源泉が異なります。人気の砂湯は、砂かけさんが砂をかけてくれます。ずっしりと重い砂がじんわりと体を温めて肌もツルツルに。温泉成分はすごいです。入れ替え制で時間制限があり、1度に入れる人数が決まっているので待ち時間が発生することも。
鉄輪温泉の「ひょうたん温泉」
ミシュラン三ツ星を4回連続で獲得した、世界的に認められた温泉。源泉温度が90度以上ですが、「湯雨竹(ゆめたけ)」という装置で源泉を落下させることで温度を下げ、加水を行っていません。循環や消毒も一切なしのまさに温泉100%!
肌とほぼ同じpHで肌を優しく守ってくれます。時間無制限の砂湯があり、浴衣を着用しての混浴なので家族皆で楽しめます。子供用浴衣もあります。砂かけさんはいませんの各自で頑張りましょう。
明礬温泉の「明礬湯の里」
1万坪もの広大な土地に大露天岩風呂や貸切家族風呂、湯の花小屋などが立ち並び郷土料理も楽しめる、明礬温泉の魅力がギュッと濃縮された場所です。わら葺き屋根の家族風呂は4棟。現地でのみ予約を受け付けています。電話での予約はできません。
湯けむり展望台
別府温泉と言えば、いたるところから立ち上がる湯けむりの風景で知られています。それらを一望できる「湯けむり展望台」があります。住宅街の中に突如現れる小さな展望台で売店などありませんが、訪れる価値は十分!ただし、湯けむりの量は条件で変わってきます。
風が無く曇っていて湿度の高い日のほうが、湯けむりの量が増えるそうですよ比較的条件が揃いやすいのが朝です。
ここからみる景色は、過去に「21世紀に残したい日本の風景」で富士山次いで2位に選ばれ、また「日本夜景遺産」に認定されたこともありました。
のどかで風情あふれる景色、静かに時が流れる空気感、そして都会のようなきらびやかな夜景ではありませんが、心に染みる優しい光の夜景にほっこりします。
無料の駐車場が10台分ほどありますが、4月~10月は22:00に、11月~3月は21:00に施錠されますので時間に余裕を持って訪れましょう。
「湯の川停留所」→急な上り坂→徒歩約9分で到着
「貴船城入口停留所」→下り坂→徒歩約9分で到着
途中、歩道がない道も歩くので、夜景目当てで行く場合にはタクシーの利用がおすすめです。
地獄蒸し料理
人気の鉄輪温泉エリアにはお食事処がいくつもありますが、その中でいかにも温泉地ならではの調理スタイル「地獄蒸し料理」がおすすめです。
「地獄蒸し工房 鉄輪」では地獄の噴気を利用した蒸し料理がいただけます。お好みの具材セットを選べますが、とにかく種類が豊富。あれもこれもと欲張るとかなりの量になります。
蒸し窯へのセット自分で!約98度の噴気なので、火傷しないように手袋を装着。後はタイマーで時間を計りながら完成を待ちます。食材によって蒸す時間が異なりますが、スタッフが教えてくれるので初めてでも安心。
完成した蒸し料理は、ただ、蒸しただけなのに食材の旨味がギュッと濃縮されて前面に押し出されています。調味料が用意されていますが、まずはそのままで。食材そのものの味に感動します。
「地獄蒸し工房 鉄輪」は予約ができないので、蒸す時間も考慮してランチやディナータイムよりも早めに向かうのが良いです。
別府の2大ソウルフード
観光に訪れたら現地で郷土料理を頂きたいです。別府にもソウルフードがあります。
B級グルメとして人気の郷土料理「別府とり天」。卵を多めに使用している衣がふんわりとした食感で、酢醤油と練り辛子をつけて食べるのが一般的。付けダレが提供されることもあります。別府市内には現在120軒以上、とり天が食べられるお店があり、駅周辺には人気店が集まっています。
鉄輪温泉街で20年以上和食店として営業し続けている「お川(おがわ)」では、国産の鶏肉を使用したとり天定食(750円)が人気メニューでボリューム満点!
小麦粉・そば粉・でんぷんを基本とした独特な麺を和風だしで頂く「別府冷麺」もおすすめ。冷麺専門店系のもちもちした太めの麺と、焼肉屋系のつるつるした中細麺の2通りがあるので、好みで選びましょう。
次は湯布院観光へ。
JR由布院駅やバスセンターで下車すると、由布岳がお出迎えしてくれます。ここから由布岳に向かって金鱗湖まで歩きましょう。金鱗湖までを結ぶ片道30分程度の道「湯の坪街道(ゆのつぼかいどう)」はグルメやスイーツ、雑貨などおよそ70店舗が立ち並び、まさに食べ歩きにはぴったり!
とりあえず金鱗湖まで歩きながらお店を吟味しても良し、エネルギー補給しながら歩くも良し、プラプラしながら何を食べようか迷うのが楽しいです。後悔のないようにいっぱい食べちゃうのもあり。
金賞コロッケ
全国コロッケコンクールで金賞を受賞した「金賞コロッケ」は、北海道産の男爵いもと脂身の少ない和牛赤身ミンチを使って優しく丁寧に揚げられました。外はサクサク、中身はとろりとした食感で、全国で優勝するのも納得の味。金賞コロッケの他にも、タココロッケやとり天コロッケなど、気になるコロッケがいくつもあり迷ってしまいます。
お店の前はいつでも行列ができていて、それだけ人気ということが分かります。
今泉堂の黒糖揚げまんじゅう
金鱗湖の近く「今泉堂」は、外側のカリッとした食感が癖になる黒糖揚げまんじゅうの専門店。冷めてもカリッとした食感が失われないのでお土産としてもおすすめ。
中は十勝産の小豆をふんだんに使ったつぶあんで、それほど甘すぎないので何個でも食べられそう。1つから購入できるので食べ歩きにはぴったりの一品。店内でゆっくり食べることもできます。
由布院Milch(ミルヒ)のケーゼクーヘン
「ケーゼクーヘン」は、ふわふわとした新しい食感が人気のカップ入りチーズケーキ。中はトロトロしていてチーズケーキの概念が変わります。
湯布院産の牛乳を使用しパティシエのこだわりが詰まった「濃厚ソフトクリーム」や、マスカルポーネとクリームチーズが二層になったレアチーズケーキ「ダブルケーゼ」など、女性好みのスイーツがたくさんあり、イートインも可能。
YURARI-ゆらり-のプリン凛-RIN-
生クリームを一切使わず、地元産の厳選した材料のみで作られているこだわりのプリン「凛-RIN-」。もちろん無添加無着色にもこだわっています。見た目は濃厚に見えますが、食べてみると意外にあっさり。甘いのが苦手な男性にも好まれる味です。
小さな便の容器に入った上品なプリンは1個360円(税込み)と少々高めな値段設定ですが、金額以上の美味しさで間違いなし。
B-speakのロールケーキ
食べながら歩くには少々不向きな形ですが、絶対に食べたいのがロールケーキの専門店「B-speak(ビースピーク)」の「Pロール」です。数々のメディアで取り上げられているので湯布院といえばB-speakのロールケーキを連想する人も多いはず。
Pロールは湯布院産の卵を使い、ざっくりと練り込まれた粗目な生地と、低脂肪で甘さを抑えた生クリームが絶妙のバランス!味はプレーンとチョコレートの2種類。
Pロールの「P」はPeace&Puffyの頭文字で、空気を含んでふわふわした(Puffy)ロールケーキを食べたら平和(Peace)で幸せな気持ちになれるように…との願いを込めてネーミングされました。その言葉通り、口にした瞬間、ふわっと幸福感に包まれます。
Pロールの消費期限は当日限りのため、インターネットでの販売はありません。つまり店舗に行かない限り食べられないのです。15cmのPロール(1,420円)と、1/3にカットされたPロール(475円)があります。箱に入っているので食べやすいです。
人気のPロールのため、確実に購入するためにも予約がおすすめ。
購入日の5日前から予約可能・予約受付時間帯15:00~17:00
金鱗湖(きんりんこ)
JR由布院駅から約1.5kmの位置にある金鱗湖は、湯布院観光では外せない観光スポットのひとつ。湖で泳ぐ魚の鱗が夕日で金色に輝く姿から「金鱗湖」と名付けられました。
周囲約400m、水深約2mでそれほど大きな湖ではありませんが、周囲の立木が湖面に映り、目に多くの緑が飛び込んでくるような自然を感じられる場所です。
湖の底からは清水と温水が湧き出て、更に約30度の温泉水が流れる河川を含める5つの河川が流入しています。その為、年間を通して湖水の温度が高く、秋~冬の早朝には湖面から湯気が立ち上る幻想的な風景が見られます。湖の中に立つ鳥居は明治時代の神仏分離令により、佛山寺から移されたもの。
金鱗湖に架かる橋の周辺は撮影ポイントで人気ですが、実は金鱗湖をぐるりと回った対岸からの景色が格別。
湖の中には小さな石造りの鳥居、空の青と周囲の山々が映り込み濃い青に変化した金鱗湖。入り口付近で見た金鱗湖とは別の姿を見せてくれます。
湖畔には天祖神社が建っており、金鱗湖も含めて神域になっています。ここは由布院の隠れたパワースポットなのです。ここまでくると観光客が少なくなるので、静寂に包まれてゆっくりと金鱗湖を眺められます。
辻馬車
今から40年ほど前の大地震から、街を盛り上げるために始められたのが「辻馬車」です。
馬車は10名程度のお客を乗せて、湯布院の街をカッポカッポと音を立てながらゆっくりと進みます。途中、坂道にさしかかると勢いをつけて登るためスピードアップ!想像以上の疾走感で風が気持ち良い!
馬車に乗ると目線が高くなるので、歩いて見る景色とはやはり違います。都会では見られないどこか懐かしい田園風景の広がりにほっこりします。耳に馴染んできた馬の蹄の音と馬車の揺れが心地良く、日本は素敵だなと思わせてくれる馬車体験になります。
乗車中は、御者(ぎょしゃ=手綱を握り馬を操る人)が穏やかな口調で湯布院の街を説明してくれます。御者の説明も含めて、今では辻馬車は湯布院観光には外せない名物の一つになりました。
地元の方々は馬が驚かないようにと、クラクションを鳴らさないように気をつけているそうです。町全体で辻馬車を支えているのです。
途中、「沸山寺(ぶっさんじ)」と「宇奈岐日女神社(うなぐひめじんじゃ)」の2ヶ所で、馬車は停まります。それぞれ10分程度停車するので佛山寺や宇奈岐日女神社を足早で観光したり、馬と一緒に記念撮影をするなど思い思いに過ごせます。
辻馬車の予約は利用当日の朝から受付開始。同時刻から電話での予約も可能ですが、窓口が優先になります。週末や繁忙期には予約開始から30分ほどで全て埋まってしまうそうなので、湯布院に到着したら真っ先に辻馬車の予約が必要です。
予約をした集合時間にはなるべく早めに到着するのがベター。早く到着するほど馬車の前の方に座ることができます。また、小さな子供は御者の横に座ることもできるので、人気のポジションになっています。
中学生以上1,600円・小人1,100円・4歳未満で席が不要の場合(親の膝の上に座らせる場合)、料金は不要
3月~11月は8:50から、12月~1月は9:00から予約開始。馬車は30分ごとに運行しています。
真冬の寒い時期はしばらくの間運行しません。また、雨天時や馬の体調が悪い時は運休になります。また、辻馬車はペットをゲージやキャリーバッグに入れても乗車できないので、ペット連れの人は注意。
足湯
JR由布院駅は「おんせん県おおいた」の名にふさわしく、駅のホームの中に足湯があります。
切符売り場で足湯券を購入すれば電車に乗らなくてもホームに行けます。
足湯券はポストカードになっているので記念になります。タオルも一緒に頂けるので手ぶらでOK!ホームに到着する電車を見たり湯布院の町を囲む山々を眺めたりしながらの足湯は、電車好きにはたまらない体験になります。
由布院と湯布院
インターネットや旅行雑誌を見ていると、「ゆふいん」の表記が「由布院」と「湯布院」の2つあることが分かります。
元々は「由布院町」でしたが湯平村との合併により「湯布院町」に。さら近隣の町と合併して「由布市」に。
現在の住所は「大分県由布市湯布院町」。駅は合併する前からあったため「JR由布院駅」、高速道路のインターチェンジは合併後に作られたため「湯布院IC」。
したがって昔からある由布院温泉の正式名称は「由布院温泉」ですが、地名が「湯布院町」であることから「湯布院温泉」と表記するところも・・・
「由布院」でも「湯布院」でも、どちらも間違いはないのですが、実にややこしいので最近ではひらがな表記も増えてきました。
観光客からすれば気になるところですが、地元の方々は気にしていない様子。難しく考えずに観光を楽しみましょう!
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