東武日光駅・JR日光駅から徒歩20分ほど、バスなら5分ほどで到着するのが「神橋(しんきょう)」です。
日光観光の玄関口として、印象的な朱色の姿で私達を出迎えてくれます。パンフレットなどで目にする機会が多いので、神橋を目の前にすると「日光に来た!」と感動します。
中禅寺湖の湖水が華厳の滝となり、大谷川(だいやがわ)へと注がれていくのですが、その大谷川に神橋は架けられています。
二荒山神社創建の為に架けられた神橋は、実に1220年以上の歴史を持ち、平成11年(1999)には東照宮の陽明門、輪王寺の大猷院(たいゆういん)などと共に「日光の社寺」として、世界遺産に登録されました。
残念ながら明治35年(1902)の洪水によって一度は流されてしまいましたが、明治37年(1904)に旧式と同じ構造で再建されています。
長さ28m、幅7.4m、水面からの高さ10.6mのアーチ形の木造反り橋で、その構造は実に複雑。
「乳の木」と呼ばれる橋桁を、両岸の岩盤に斜めに埋め込み、上向きに突き出た先端を石の橋脚で支えています。そして、その上に短い橋桁を乗せて、台形状に略円弧を形成して骨組みを造つくるという、特異構造になっています。
神橋は「山菅の蛇橋(やますげのじゃばし)」とも呼ばれ、昔は将軍や行者など、ごく一部の人しか渡ることが許されない神聖な橋とされていました。
「山菅の蛇橋(やますげのじゃばし)」と呼ばれるようになった伝説があります。
その昔、日光を開山した勝道上人とその弟子達が来た時に、大谷川の流れがあまりにも急で渡れなかったので神に祈りました。すると、赤と青の2匹の蛇が現れて両岸を繋ぎ、さらに自らの背中に山菅を生やして、勝道上人と弟子達が滑り落ちずに渡れるようにしたそうです。
ちなみに蛇は、虹のような形で橋を作ったそうです。神橋の形と似ていると想像できます。
神橋は有料ですが、渡ることができます。
橋のたもとには「橋姫神」が祀られており、対岸の「深沙大王(じんじゃだいおう)」と男女一対となって、橋の守護神として橋を渡る人と神橋を守ってくれています。「橋姫神」は良縁を呼ぶ神様とされていることから、日光二荒山神社で挙式をすると「神橋渡り初め」として、花嫁行列で神橋を渡ります。
多くの観光客に祝福されながらの挙式、タイミングが合えば綺麗な花嫁さんを見られるかも。
神橋に訪れたら「祈願紙ヒコーキ」で、願い事を叶えてもらいましょう。
水に溶ける紙で作られた紙ヒコーキの翼に願い事を書いて、神橋の上から男体山に向かって飛ばします。男体山の神に願いが届けばきっと叶います。
厄除けならば、大谷川に向かって紙ヒコーキを飛ばして厄を落として下さい。
風のある日は紙ヒコーキがうまく飛ばないことがあるので、気を付けて!
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