最初に選ぶべきレンズ


一眼レフで最初に選ぶレンズは?

憧れの一眼レフやミラーレス一眼を買うと決めたら次に悩むのはレンズ選びです。

最初のレンズだからこそ、どんなレンズにすれば良いか分からない…!という人も多いのではないでしょうか。一眼レフの最初のレンズは「絶対に単焦点レンズがおすすめ」という話も聞きますが、果たして本当にそうでしょうか?

この記事では、最初に選ぶレンズについて様々な視点から説明していきます。

ぜひ最初のレンズを選ぶ参考にしてください。

基本の焦点距離、標準レンズとは

最初に選ぶレンズについて解説する前に、まず基本となる「標準レンズ」について少し説明をしたいと思います。

標準レンズの特徴

標準レンズは人間の視界に最も近い画角で、目で見たそのままの写真を撮影することができることが特徴のレンズです。

標準レンズは非常に汎用性が高く、初心者からプロまで幅広く、長く使うことができるところも魅力です。

標準レンズを使用する撮影シーンも幅広く、ポートレート撮影や風景撮影、旅行での記念撮影など様々です。

ただし、標準レンズは自分の目で見た画角と同じなので、しっかり構図を考えて撮影しないと、見た目通りの平凡な写真になりがちという欠点もあります。

ふたつの標準レンズ

標準レンズは大きく分けてふたつの種類があります。そのふたつの違いについて解説します。

単焦点レンズ

単焦点レンズは、焦点距離を変えることができない(ズームをすることができない)レンズです。単焦点レンズはズームレンズと比べて画質が良い割に軽く、価格も比較的安いことが特徴です。

また、明るい(F値が小さい)レンズが多いのも人気の理由のひとつです。

ズームレンズ

ズームレンズは単焦点と違い、ズームをしたり焦点距離を短くして広角域で撮影したりすることができるレンズです。

焦点距離を変えることで、様々なシチュエーションで撮影できる便利さが特徴です。被写体との距離を調整するために移動することが制限されてしまう場合に、ズームレンズが役に立ちます。

しかし単焦点レンズよりも構造が複雑なため、単焦点レンズに比べて大きく重いというデメリットもあります。そして構造が複雑な分、明るいレンズを買おうとすると価格が高くなりがちです。

ただ、コンパクトカメラやスマホのカメラでズームが当たり前にできることに慣れている人が多いこともあって、ズームレンズの方が入りやすいレンズではあります。

センサーサイズ毎の標準レンズの違い

カメラはイメージセンサーのサイズによって「フルサイズ」や「APS-Cサイズ」というように分類されます。センサーサイズが変わると、同じ焦点距離のレンズを使っても撮影できる写真の画角が変わります。

そして、センサーサイズ毎に標準レンズと呼ばれているレンズの焦点距離も異なります。

下記にセンサーサイズ毎の焦点距離をまとめました。

センサーサイズ 標準レンズの焦点距離
フルサイズ(一眼レフやミラーレス一眼) 50mm
APS-Cサイズ(一眼レフやミラーレス一眼) 35mm
マイクロフォーサーズ(オリンパスやパナソニックのミラーレス一眼) 25mm

単焦点レンズとズームキットレンズ

標準レンズについて説明しましたが、最初に選ぶレンズについては、やはり汎用的に使用することができる標準レンズがお薦めです。

そして標準レンズでも「単焦点」か「ズームレンズ」かという選択ですが、これは様々な意見があり判断が分かれるのですが、私はズームレンズをおすすめします。

様々なサイトで「最初のレンズは単焦点の標準レンズが一番」という意見が見られる中で、ズームレンズを薦めるのには明確な理由があります。

単焦点標準レンズは難易度が高い

一眼レフを買ったばかりで、どのような写真を撮ってよいか?どんな写真が撮れるのか?がわからない状態で、単焦点標準レンズを使うことはお薦めできません。

標準レンズの説明でも少し触れましたが、標準の50mm近辺の焦点距離は汎用的な反面、初心者には難しい画角です。構図を考えずに撮ってしまうと目に見えたままの、記録のような平凡な写真になってしまうので慣れないうちは非常に難しい画角なのです。

そのような状態で単焦点標準レンズを選んでしまうと、「全然いい写真が撮れない」と思ったり、「スマホで撮ったほうが簡単だし綺麗な写真が撮れる」と感じてしまうかもしれません。写真を撮る楽しさを体験しないうちに心が離れてしまい、最終的には一眼レフ(ミラーレス一眼)を使わなくなってしまう、なんてこともあり得てしまいます。

その点、ズームレンズなら色々な画角の写真を撮ることができるという利点があります。肉眼では観察しきれない遠い場所の細部ですら、カメラに捉えることができます。

色々な画角で撮影できるからこそ、自分の気に入った写真が撮れる可能性も高くなり、写真を撮る楽しさを味わうことができます。なので、まずは写真を撮るという楽しさを覚える、という点からもズームレンズをお薦めしたいです。

メーカーが、カメラ本体とズームキットレンズをセットで売っているのも、まずは使いやすいレンズで写真の楽しさを覚えてもらって、ファンになってもらい、次のレンズやカメラを買ってもらおうという意図があります。

様々なシチュエーションに対応できる汎用性

標準レンズはその汎用性から、様々なシーンでの撮影に使用する機会が多いレンズです。そして旅先で風景やポートレートを撮影したり、集合写真を撮影したりすることを考えると、ズームレンズがやはり最適です。

たしかに単焦点レンズは写りも良く、自分が動くことで焦点距離を調節することが可能です。足を使って撮影をする分、写真を撮る技術が向上しやすいのも事実です。

しかし、友達や家族連れで旅行に行った際、被写体に合わせて自由に動き回るというのは非常に難しいです。撮影旅行ならまだしも、家族旅行で子供たちを放っておいて被写体を追いかけるようなことをしていれば、家族に怒られること間違いなしです。

他にも、ズームレンズには単焦点では撮ることができない写真が存在します。

足を使って焦点距離を調節することができると言っても、木の上にいる鳥や、離れたところにいる野生動物に近づくことはできません。

ズームレンズであれば、望遠側で撮影することで、ある程度そのような被写体にも寄ることができます。

自分の撮りたい写真を知ることができる

一眼レフを買ったばかりの頃は、自分が本当に撮りたい写真というのが分からない人が大半だと思います。なんとなく、こんな写真が撮りたいという漠然としたイメージはあっても、実際に一眼レフでどのような写真が撮れるかは、実際に撮影してみないとわかりません。

そして、様々なものを撮影していく中で、自分の好きな焦点距離や画角、メインで撮りたい被写体といったものに気づくことができます。

初めのレンズだからこそ、気軽に色々な焦点距離の写真を撮影することができるズームレンズがお薦めなのです。

キットレンズでも十分綺麗な写真を撮れる

標準ズームレンズで一番手に入れやすいレンズは、カメラとセットで販売されているズームキットレンズでしょう。

よく「キットレンズは画質が悪い」などと言われますが、最近のキットレンズはそれほど画質が悪いわけではありません。たしかに高性能なズームレンズや単焦点レンズと比べてしまうと描写性能は劣ってしまいますが、初心者のうちにプロ並みの高繊細な写真を撮れるレンズが必要かというと、全く必要ありません。

また、知識のないまま良いレンズを使ってしまうと、値段の割に良い写真が撮れないことにがっかりしてしまうかもしれません。

高級カメラと高級レンズでは、持ち出すにも勇気が必要です。まして、カメラの扱い方に慣れていない初心者なら尚更です。

レンズの性能も大切ですが、それよりも、その時々で適切な設定を行えるようになることの方がよほど大切です。そしてそのスキルを上達させる一番の方法は、1枚でも多く写真を撮ることです。そして、しっかり設定ができて構図を考えられるようになれば、キットレンズでも十分に綺麗な写真を撮ることができるようになるはずです。

まずは写真を撮る事を楽しむ

一眼レフやミラーレス一眼で最初に選ぶレンズについて説明しましたがいかがだったでしょうか。写真を撮る技術を上達させる一番の近道は、何もよりも沢山撮って、写真を楽しむことです。

カメラとレンズを手に入れたら、あとは、写真を撮りに行くだけ。

きっと今まで撮ってきた写真よりも素晴らしい写真を撮ることができると思います。

お気に入りのカメラと一緒に、素晴らしいカメラライフを楽しんでください。


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